10月7日、モロッコの下院(定数395、任期5年)選挙が行われました。開票の結果、連立政権を主導するイスラム系政党「正義発展党」(PJD)が前回選挙から18議席を上積みして125議席を獲得し、第1党を維持しました。投票率は約43%でした。
リベラル系の真正現代党(PAM)が102議席、保守系の独立党が46議席と続きますが、首相は下院第1党から国王が任命することになっており、PJDを中心に連立協議が進む見通しです。
アラブ諸国では2011年の民主化要求運動「アラブの春」以降、各国でイスラム政党が躍進しましたが、政権獲得後に経済の安定化に失敗したり、イスラム過激派を野放しにしたとの批判を受けたりして、支持を失う例が相次いでいます。モロッコでもPJDが同様の批判を受けていましたが、今回の選挙では根強い支持があることが示されました。
モロッコは立憲君主制で、それまで、軍の指導者や宗教の最高権威を兼ねる国王に権限が集中ししていましたが、国民投票で憲法改正し、現在では、閣僚の任免権や下院の解散権は首相に付与されています。今回は憲法改正後2度目の選挙でした。