2016年11月7日~18日にモロッコのマラケシュで、第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)が開催されます。
モロッコ政府は、COP22に向けて、ウエブサイトの開設(公式ウエブサイトはこちらから)、準備委員会内に「市民センター」を設けて、アフリカ各国や国内でのキャンペーンツアーを計画させるなど準備を進めています。
そんな中、パリ協定発効を踏まえた最初のCOPであることを期して、1万5000のモスクで消費する電力を40%削減するという「グリーン・モスク」計画が始まりました。モスク内の照明や空調などで使用する電力をLEDなどの省エネ型照明に切り替えるほか、太陽光発電電力の使用、太陽温水熱ヒーティングなどを活用するもので、いずれもモスクの外観の変更は加えず、クリーンエネルギーへの転換を行います。再生可能エネルギー導入を推進するため政府が設立したモロッコ・エネルギー投資会社の試算では、首都ラバトにあるモスクでは、消費エネルギーを68%も減らせるそうです。エネルギーの節約効果のみならず、礼拝前に手足を清める際に、太陽熱で温めた温水を使えるようになるほか、礼拝室の空調も可能になるといった利点もあります。さらに、グリーン化に伴う工事によって、5000人の新たな雇用を生み出すという社会的効果もあります。
「モスク・グリーン化」のアイデアはモロッコ国内から提唱されたもので、モハメド VI世国王 もこのアイデアを賞賛し、強力に推進しています。モロッコは2001年にCOP7を、今回と同じマラケシュで開催しました。そして今回はパリ協定を受けたCOP22の開催国となり、国王は「COP22の開催は、わが国がパリ協定の実現のために活動してきたことを象徴し、今後も気候変動の影響を被る途上国のために活動していくことを示す」と胸を張っています。