ガラス工房をモロッコに

kaiba

仙台市秋保町、小鳥たちがさえずりが響く楯山の麓にあるガラス工房「海馬」。この工房でサハラ砂漠の砂や、仙台市内を流れる広瀬川の砂を原料にしたガラス制作を行っているガラス職人、村山耕二さんが、砂の原産地モロッコに制作拠点を設け、技を現地の観光振興に生かそうと奔走しています。

砂にこだわるのは2001年にサハラ砂漠で植林に取り組むNPO法人の活動に同行し、温暖化により砂漠が拡大し、住宅地を侵食している状況を目の当たりにしたのがきっかけ。帰国後、持ち帰った約5キロの砂を工房のかまどで溶かし、ガラスにした。完成品はオアシスを思わせる緑色に。「大地の記憶を閉じ込めたようだ」と感じ、心が震えたそうです。

ガラス作りは、砂から不純物を取り除いて加熱処理したケイ砂を用い、人工的に着色するのが一般的ですが、村山さんは2年ほどかけ、天然の砂をそのまま使用し、自然な発色を生かす技術を確立。04年にサハラガラスを発表し、モロッコ国王にも作品を献上されています。

モロッコでは砂漠周辺から人口が流出し、地方の過疎が深刻化していますが、村山さんは砂漠地域にガラス工房を建て、住民に製法を伝えることで新たな観光資源にしようと計画しています。場所の選定を進め、3年後の実現を目指しているそうです。

[出典]日本経済新聞、2017年5月8日(月)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG05H3B_Y7A500C1CR0000/


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